
Dreadbox
Kinematic
コンプレッサーとエンベロープフィルターを組み合わせたユニークなエフェクター。ギターのピッキングニュアンスに反応してフィルターが開閉し、ワウのようなサウンドや、リズムに合わせたグルーヴィーなサウンドを生み出します。
Kinematic のレビュー
Dreadbox / Kinematic とは
Dreadbox / Kinematic は、ギリシャのエフェクターブランドDreadboxが送り出す、ユニークなコンプレッサー/フィルターペダルです。単なるコンプレッサーとしてだけでなく、独特なローパスフィルターと組み合わせることで、サウンドにリズミカルなうねりや有機的な倍音を加えることができます。ギターだけでなく、シンセサイザーやボーカルなど、幅広い楽器のサウンドメイキングに新しい次元をもたらすペダルと言えるでしょう。
Dreadbox / Kinematic の特徴
1. 驚くほど有機的なコンプレッション
Kinematicのコンプレッションは、いわゆる「素直な」ものではありません。むしろ、その独特なキャラクターがサウンドの魅力を引き出します。アタックやリリースの設定次第で、リズミカルにサウンドをプッシュしたり、逆にウォームで柔らかな響きを作り出したりすることが可能です。特に、ギターのバッキングプレイでコードを弾いた際のサウンドに深みと粘りを加えるのに効果的です。
2. 音楽的なローパスフィルター
このペダルを特徴づけるもう一つの要素が、内蔵されたローパスフィルターです。このフィルターは、単に高音域をカットするだけでなく、レゾナンス(共振)を調整することで、サウンドに倍音豊かなうねりや「ワウ」のような効果を生み出します。フィルターのカットオフ周波数をLFO(低周波オシレーター)でモジュレーションさせることで、よりリズミカルで表情豊かなサウンドメイクができます。
3. 組み合わせによる無限の可能性
Kinematicの真価は、コンプレッションとフィルターをどのように組み合わせるかにあります。例えば、コンプレッサーでタイトにサウンドを整えつつ、フィルターでリズミカルな揺らぎを加えることで、エキサイティングなグルーヴを生み出すことができます。逆に、フィルターでサウンドにキャラクターを与えた後、コンプレッサーでそのキャラクターを際立たせる、といった使い方も魅力的です。
4. 直感的な操作性
多くのパラメータが搭載されていますが、それぞれのノブの役割が明確で、比較的かんたんに目的のサウンドにたどり着けます。特に、サウンドに「動き」を加えたいと思ったときに、直感的に操作できるのは大きな利点です。試行錯誤しながら、新しいサウンドを発見していくプロセスも楽しいものです。
5. アナログ回路による温かみ
Kinematicは、そのサウンドにアナログ回路ならではの温かみとダイナミクスを持っています。デジタルトランジェントの鋭さとは一線を画す、音楽的な「呼吸」を感じさせるサウンドは、プロフェッショナルな現場でも重宝されるでしょう。
まとめ
Dreadbox / Kinematic は、単なるエフェクターの枠を超え、サウンドに新しい息吹を吹き込むことができるクリエイティブなツールです。コンプレッションとローパスフィルターのユニークな組み合わせは、ギターサウンドはもちろん、シンセサイザーなどでもその威力を発揮します。サウンドにリズミカルなうねりや有機的な倍音を加えたいと考えている方には、ぜひ一度試していただきたいおすすめのペダルです。