
Electro-Harmonix
Polychorus
コーラス、フランジャー、そして独特の「スラップバック」ディレイを組み合わせた、厚みのある揺らぎサウンドを生み出すエフェクター。特に、アナログ回路による暖かく、うねるような質感が特徴で、ヴィンテージ感あふれるサウンドメイキングに貢献します。
Polychorus のレビュー
Electro-Harmonix / Polychorus とは
Electro-Harmonix / Polychorus は、1970年代後半に登場した、コーラス、フランジャー、そして独特の「パン」効果を一台で実現するアナログエフェクターです。その独創的なサウンドは、多くのギタリストや音楽プロデューサーを魅了し続けています。単なるモジュレーションエフェクトに留まらない、空間系エフェクトの可能性を広げた製品と言えるでしょう。
Electro-Harmonix / Polychorus の特徴
1. 豊かなコーラス効果
Polychorusは、2つのLFO(低周波発振器)を搭載しており、それぞれのLFOの波形を組み合わせることで、深みがあり、うねりのような豊かなコーラスサウンドを生み出すことができます。単一のLFOでは得られない、複雑で有機的な揺らぎが特徴です。
2. フランジャーとの融合
コーラスだけでなく、フランジャーとしての機能も備わっています。特に、レゾナンス(フィードバック)コントロールを調整することで、ジェット機のようなサウンドから、空間的に広がるようなフランジャーサウンドまで、幅広い表現ができます。
3. パンニング効果
Polychorusの特筆すべき機能の一つが、ステレオパンニング効果です。LFOの揺れに合わせてサウンドが左右にパンニングされ、立体感のあるサウンドステージを作り出します。これは、当時のエフェクターとしてはとても画期的な機能でした。
4. 独立したLFOコントロール
2つのLFOそれぞれにレート(速さ)とデプス(深さ)のコントロールが付いているため、サウンドの揺らぎを細かく調整できます。これにより、アンビエントなパッドサウンドから、リズムに合わせた刻むような効果まで、多彩なモジュレーションを生み出すことができます。
5. アナログ回路による温かみ
Polychorusは、すべてアナログ回路で構成されています。このアナログ回路が、デジタルトレンドとは一線を画す、温かみがあり、暖色系のサウンドを生み出します。ピッキングニュアンスへの追従性も良く、プレイヤーの感情をダイレクトに音に反映させることができます。
まとめ
Electro-Harmonix / Polychorus は、そのユニークなコーラス、フランジャー、パンニング効果により、ギターサウンドに深みと広がりを与えることができる、とても魅力的なアナログエフェクターです。当時のサウンドを再現したい方、あるいは個性的な空間系エフェクトを求めている方にとって、間違いなくおすすめできるエフェクターです。そのアナログらしい温かみと、多彩なモジュレーション能力は、現代の音楽制作においても、新たなインスピレーションを与えてくれるでしょう。