
Erica Synths
Matrix Mixer
複数のオーディオ信号を自由にルーティングし、ミックスできるモジュラーシンセ用のミキサー。パッチングによって信号の流れを柔軟にコントロールでき、複雑なサウンドメイクに貢献します。
Matrix Mixer のレビュー
Erica Synths / Matrix Mixer とは
Erica Synths / Matrix Mixer は、モジュラーシンセサイザーにおける信号ルーティングとミキシングを革新する、多機能なアナログミキサーです。複数のソースからの信号を柔軟に制御し、複雑なサウンドデザインを実現する上で、プロフェッショナルな音楽制作環境に不可欠なツールとなります。
Erica Synths / Matrix Mixer の特徴
1. 柔軟なルーティング機能
Matrix Mixer は、8系統のインプットと6系統のアウトプットを備えています。これらのインプットとアウトプットは、本体のクロスポイントマトリクスによって自由に接続できます。これにより、複数のモジュールからの信号を自由に組み合わせ、意図した通りのルーティングを構築できます。例えば、一つのモジュールの出力を複数のエフェクトに送り、それぞれ異なるレベルでミックスするといった高度な処理もかんたんに実現できます。
2. アッテネーターとゲインコントロール
各インプットには、信号レベルを調整するためのアッテネーターとゲインコントロールが搭載されています。これにより、異なる出力レベルを持つモジュールからの信号を均一に揃えたり、意図的に音量差をつけてミックスしたりすることができます。微細なレベル調整から大胆なゲインアップまで、幅広いサウンドメイクに対応します。
3. AUXセンド/リターン機能
AUXセンド/リターン機能も搭載されており、外部エフェクターとの連携がスムーズに行えます。センドアウトからエフェクターに信号を送り、リターンインでエフェクト処理された信号をミックスに加えることができます。これにより、リバーブやディレイといった空間系エフェクトを個別に適用し、サウンドに奥行きを与えることがとても効果的です。
4. モノラル/ステレオ対応
Matrix Mixer は、モノラル信号だけでなくステレオ信号のミキシングにも対応しています。ステレオソースを直接入力し、パニングを含めてステレオイメージをコントロールできます。これにより、広がりのあるステレオサウンドスケープを構築する際にも、このミキサーが中心的な役割を果たします。
5. アナログ回路によるウォームなサウンド
全ての信号処理はアナログ回路で行われています。これにより、デジタルトランスクリプションでは得られない、ウォームで豊かなサウンドキャラクターが付与されます。アナログならではの倍音感や、信号が飽和した際の心地よい歪みなども、サウンドに深みを与える要素となります。
まとめ
Erica Synths / Matrix Mixer は、その柔軟なルーティング能力、多彩なコントロール、そしてアナログ回路ならではのサウンドクオリティにより、モジュラーシンセサイザーを用いた音楽制作において、非常に価値のあるツールです。複雑な信号処理を整理し、サウンドデザインの可能性を大きく広げることができるこのミキサーは、プロフェッショナルなクリエイターにとって、間違いなくおすすめできるエフェクターです。