
Arturia
Microbrute
ミニマルながらもパワフルなアナログシンセサイザー。特徴的な「サウンドマトリクス」により、ユニークで実験的な音作りが可能で、音源としても、外部機器を接続してエフェクトとしても楽しめます。
Microbrute のレビュー
Arturia / Microbrute とは
Arturia / Microbrute は、フランスのArturia社が製造するアナログモノフォニックシンセサイザーです。そのコンパクトな筐体からは想像できないほどパワフルなサウンドメイク能力を持ち、特に現代的なエレクトロニックミュージック制作において、そのユニークなキャラクターで多くのトラックメイカーから支持を得ています。
Arturia / Microbrute の特徴
1. ウォームでアグレッシブなアナログサウンド
Microbruteの心臓部には、ウルス・シンセサイザーの設計思想を受け継ぐ「Brute Factor」回路が搭載されています。これにより、サウンドに独特の倍音とサチュレーションを加えることができ、ウォームでありながらもエッジの効いたアグレッシブなサウンドキャラクターを実現しています。オーバードライブさせればさせるほど、その特性が際立ち、刺激的なサウンドを生み出します。
2. マルチモード・レゾナント・フィルター
Microbruteは、ローパス、ハイパス、バンドパス、ノッチの4つのモードを持つマルチモード・レゾナント・フィルターを搭載しています。このフィルターは、サウンドのキャラクターを劇的に変化させるだけでなく、レゾナンスを高く設定すれば、自己発振するような鋭いサウンドも作ることができます。サウンドメイキングの幅をとても広げてくれる要素です。
3. ステップシーケンサー
内蔵されたステップシーケンサーは、最大8ステップのシーケンスを記録・再生できます。これは、単にメロディを作成するだけでなく、リズムパターンやアルペジオの生成にも活用できます。シーケンスの再生中にパラメータをリアルタイムに変化させることで、ダイナミックなフレーズの構築がかんたんにできます。
4. パッチケーブルによるモジュレーション
Microbruteの最大の特徴の一つが、パッチケーブルによるモジュレーションです。標準的なシンセサイザーでは固定されている信号経路を、ユーザーが自由にカスタマイズできます。これにより、LFOをフィルターのカットオフに繋いだり、エンベロープをピッチに繋いだりと、無限に近いサウンドメイクの可能性を秘めています。
5. コンパクトながら充実したコントロール
Microbruteは、その名の通りコンパクトなサイズですが、サウンドメイクに必要な主要なノブやスイッチをしっかりと備えています。オシレーターの波形選択、エンベロープのADSR、LFOのレートやデプスなど、直感的な操作でサウンドを構築できます。机の上のスペースをあまり取らない点も、制作環境においてはとても嬉しいポイントです。
まとめ
Arturia / Microbrute は、アナログシンセサイザーの持つ温かみと、現代的なエレクトロニックサウンドに求められるアグレッシブさを高次元で両立させた、とても魅力的な楽器です。そのパワフルなサウンドキャラクターと、パッチケーブルによる自由なモジュレーションは、楽曲に個性的なフレーズやサウンドを加えたいクリエイターにとって、強力な味方となるでしょう。価格帯を考慮しても、そのサウンドクオリティと機能性を考えれば、非常におすすめできるエフェクターです。