
Boss
PH-1R Phaser
1980年代に発売された、マイルドでウォームな質感が特徴のフェイザーペダル。コーラスのような広がりや、トレモロのような揺れとは異なる、独特の「うねり」を生み出します。ルーパー機能はなく、シンプルな操作で心地よい揺れを得られます。
PH-1R Phaser のレビュー
Boss / PH-1R Phaser とは
Boss / PH-1R Phaser は、1980年代初頭に発売された、ギターサウンドに独特の揺らぎを加えるアナログフェイザーペダルです。その温かみのある、しかし鮮明なサウンドは、多くのギタリストに愛されてきました。特に、オリジナルのPH-1から「リッチネス」コントロールが追加されたPH-1Rは、より細やかなサウンドメイキングを可能にしたモデルとして知られています。
Boss / PH-1R Phaser の特徴
1. ウォームでスムースなフェイザーサウンド
PH-1Rの最も際立った特徴は、そのウォームでスムースなフェイザーサウンドです。アナログ回路ならではの有機的な揺らぎは、デジタルのそれとは一線を画し、ギターサウンドに自然な広がりと奥行きを与えます。クリーンサウンドはもちろん、オーバードライブやディストーションサウンドに適用しても、サウンドキャラクターを損なうことなく、心地よいモジュレーションを加えることができます。
2. 「リッチネス」コントロールによるサウンドニュアンスの調整
PH-1Rに搭載された「リッチネス」コントロールは、フェイザーサウンドの深さやキャラクターを調整する上で重要な役割を果たします。このツマミを回すことで、サウンドの揺らぎの激しさや、それに伴う倍音の成分を変化させることができます。これにより、繊細なコーラスのような効果から、うねりの強いサイケデリックなサウンドまで、幅広い表現を引き出すことが可能です。
3. Boss ならではの堅牢な筐体と信頼性
Bossのエフェクターに共通する特徴として、PH-1Rもまた、その堅牢な金属製筐体による高い耐久性が挙げられます。ライブでの使用や頻繁な持ち運びにも耐えうる設計は、プロフェッショナルの現場でも安心して使用できるポイントです。また、スイッチングもトゥルーバイパスではなく、バッファードバイパスを採用しているため、エフェクトOFF時の音痩せも抑えられ、ギターシグナルをクリアに保つことができます。
4. レアリティとヴィンテージサウンドの魅力
PH-1Rは、その生産期間が比較的短かったこともあり、現在ではヴィンテージ市場でも人気が高く、入手が難しいモデルの一つです。オリジナルのサウンドをそのままに、現代の音楽制作環境でも通用するフェイザーサウンドを求めるギタリストにとって、PH-1Rは魅力的な選択肢となります。その独特のサウンドは、他のフェイザーペダルでは再現できない、唯一無二の個性をギターサウンドに与えることができるでしょう。
5. ステレオ出力による空間的な広がり
PH-1Rは、モノラル出力に加えてステレオ出力にも対応しています。これにより、2台のアンプやミキサーの別々のチャンネルに信号を送ることで、より立体的なフェイザーサウンドを創り出すことができます。空間的な広がりや奥行きを重視したサウンドデザインにおいて、このステレオ出力はとても有効な機能と言えます。
まとめ
Boss / PH-1R Phaser は、その温かみのあるアナログフェイザーサウンドと、リッチネスコントロールによる繊細なニュアンス調整能力が魅力のペダルです。堅牢な作りと信頼性も、プロフェッショナルの現場で重宝される理由の一つです。オリジナリティあふれるギターサウンドを追求するギタリストにとって、PH-1Rは間違いなくおすすめできるエフェクターです。