
Synthrotek
Nandamonium
8ビットのデジタルノイズとウェーブシェイパーを組み合わせた、ユニークなファズ/オーバードライブペダル。ピッチシフトやリングモジュレーターのような効果も内蔵し、予測不能で実験的なサウンドを生み出します。
Nandamonium のレビュー
Synthrotek / Nandamonium とは
Synthrotek / Nandamonium は、DIYエフェクターキットで知られるSynthrotekがリリースする、ユニークなシンセサイザー・エフェクターです。その名の通り、 Nandamonium は、”Nand Gate”( NANDゲート)の論理回路を応用して生成される、予測不能で有機的なサウンドが特徴です。音楽制作における新たな音響表現の可能性を秘めた、探求心旺盛なクリエイター向けのツールと言えるでしょう。
Synthrotek / Nandamonium の特徴
1. NANDゲートによる独特なサウンド生成
Nandamonium の最大の特徴は、NANDゲートというデジタル論理回路をサウンド生成の核としている点です。これにより、従来のシンセサイザーでは得られにくい、ノイジーでアグレッシブ、かつ実験的なサウンドを生み出すことができます。パルス波や矩形波をベースにしつつも、ゲートの特性が加わることで、予測不能な変化やモジュレーションが起こり、独特のテクスチャーが生まれます。
2. 直感的なコントロールと即時的なフィードバック
パネルに配置された複数のノブやスイッチは、サウンドの生成プロセスに直接的に作用します。これらを操作することで、NANDゲートの動作をリアルタイムで変化させ、サウンドを刻々と変化させることができます。複雑な設定は不要で、直感的な操作によって即座にサウンドの変化をフィードバックできるため、実験的なサウンドデザインをスピーディに進めることができます。
3. ノイズとピッチの相互作用
Nandamonium は、意図的にノイズ成分をサウンドに組み込んでおり、これがピッチコントロールと相互に作用します。ノイズの量や性質を調整することで、サウンドのキャラクターが大きく変化し、倍音構成やアタック感に影響を与えます。このノイズとピッチの相互作用が、サウンドに有機的で生々しい質感をもたらします。
4. モジュラーシンセとの連携
Eurorack などのモジュラーシンセサイザーシステムとの親和性も考慮されています。CV (Control Voltage) 入力やトリガー入力を備えており、外部モジュールからの信号によってNandamoniumのパラメータを制御することが可能です。これにより、より複雑でダイナミックなサウンドテクスチャーを構築したり、他のモジュールとのシーケンスを組んだりすることができます。
5. DIYキットとしての挑戦と達成感
Synthrotek / Nandamonium は、自身で組み立てるDIYキットとして提供されています。電子工作の経験があれば、比較的かんたんに組み立てることができ、完成させる過程での達成感も得られます。また、キットならではの「自分で作った」という愛着も湧くでしょう。
まとめ
Synthrotek / Nandamonium は、デジタル論理回路というユニークなアプローチで、これまでにないサウンドを生み出すことができるシンセサイザー・エフェクターです。その予測不能なサウンドキャラクターと直感的な操作性は、既存のサウンドに飽き足らない音楽プロデューサーやサウンドデザイナーにとって、新しいインスピレーションの源となるでしょう。他のシンセサイザーやエフェクターとの組み合わせ次第で、その可能性はさらに広がります。音楽制作における実験的なアプローチを求める方には、とてもおすすめできるエフェクターです。